インフルエンザ対策マニュアル

新型インフルエンザに対する対策

居宅を訪問して行う介護サービスにおける留意点
09年6月厚生労働省事務連絡資料参照

○職員は、手洗いやうがい、マスクの着用、咳エチケットの徹底等を励行し、流行地への渡航、人ごみや繁華街への
外出を控えてください。
○各管理者は、保健所、指定された医療機関や各都道府県の担当部局等の連絡体制を再確認してください。
○患者や濃厚接触者が活動した地域等のおいては、以下のとおり対応してください。
*当該地域の利用者に対するサービスについては、サービス提供前後における手洗いやうがい、マスクの着用、
咳エチケットの徹底を行うとともに、事業所内でもマスクの着用をする等、感染機会を減らすための工夫を行う。
*利用者や従業員等に新型インフルエンザ様症状がみられた場合には、地域の保健所に設置された発熱相談センター
に、かかりつけ医がいる場合はその医師に相談して、適宜の助言・情報提供をするようにしてください。
○利用者が罹患した場合に提供するサービスについて、次のとおりの対応をお願いします。
*地域の保健所とよく相談した上で、居宅介護支援事業所と連携し、サービスの必要性を再検討し、感染防止策を
徹底してサービス提供を継続してください。
*基礎疾患を有する者及び妊婦は、感染した際に重篤化するおそれが高いため、勤務上配慮を行うようにしてくだ
さい。
*また、基礎疾患等を有する者及び妊婦等である従業員がウイルスに暴露した場合には、医師の判断により、抗
インフルエンザ薬の予防投与の必要性の有無が検討されるため、その指示に従ってください。

1.各事業所において発生前に必要な対応
①共通事項
各管理者は、以下についての準備をお願いいたします。
*感染予防対策の徹底
・手洗い、うがいの励行
・咳エチケットの徹底
・施設の清掃、消毒
・健康状態の確認体制の徹底(利用者、職員、面会者)
・換気の徹底

*必要物品の備蓄
・マスク、手袋、消毒用アルコール等
・石鹸、紙おむつ等
・清掃用品
*感染者発生時における対応について、職員への周知、シュミレーション
*情報の収集、周知
*厚生労働省ホームページ
*職員、入所者・利用者、家族等への周知方法の検討
・面会中止とした場合の家族への連絡方法
・平常時・緊急時等、状況に合わせ掲示板やホワイトボード等を活用した情報の周知
・訪問者の氏名、住所等の把握は、感染者や接触者の追跡調査及び感染予防策を講じる際に重要な情報となり
ます。

②小規模多機能型居宅介護
*利用前に利用者に検温や、呼吸器症状(鼻汁もしくは鼻閉、咽頭痛、咳)等の有無の確認など健康観察を徹底
します。
*介護サービス利用者が新型インフルエンザに感染しているまたはインフルエンザ様の症状(2の①を参照)が
見られる場合には、当該利用者の利用する居宅介護支援事業所へ連絡します。
*利用者の基礎疾患等を確認し、重症化するおそれが高いものが多数いる場合などは、感染者発生時に事業所自
らサービス休止(一部休止や新規利用者の受け入れを休止する場合も含む)を行うか否かについて検討します。
*サービスを休止(一部休止や新規利用者の受け入れを休止する場合も含む)する場合に備え、代替えサービス
の提供が不可欠な者をリストアップし、代替えサービスの確保について居宅介護支援事業所と事前調整を行い
ます。

③訪問介護、訪問入浴介護、小規模多機能型居宅介護における訪問含む
*サービス提供時に利用者の体調確認を実施します。
*介護サービス利用者が新型インフルエンザに感染している、または当該者に新型インフルエンザ様の症状(2
の①を参照)が見られる場合には、当該利用者の利用する居宅介護支援事業所へ連絡します。(居宅介護支援
事業所は、当該利用者の利用する他サービス事業者に連絡《注意喚起》します。)
*新型インフルエンザに感染しているまたは新型インフルエンザ様の症状(2の①参照)が見られる利用者に対
するサービス提供にあたっては、サービス提供前後の手洗い・うがい、マスクなどの感染防止策を徹底します。

④居宅介護支援事業所
*介護サービス利用者に、新型インフルエンザに感染しているまたは新型インフルエンザ様の症状(2の①)参
照)が見られることについて、家族や各事業所から連絡を受けた場合、当該感染者の利用している事業所への
連絡を行うことについて職員に周知します。
*通所施設等がサービスを休止(一部休止や新規利用者の受け入れを休止する場合を含む)する場合に備え、代
替えサービスの提供が不可欠な者をリストアップし、代替えサービスの確保について事業所と事前調整を行い
ます。

2.感染者・感染が疑われる者が発生した場合の対応
①感染が疑われる場合とは
*38度以上の発熱かつ急性呼吸器症状、ただし、年齢・基礎疾患・服薬状況などの影響で高熱を呈さない場合も
あるため、37.5度以上で考慮してもよい。
*急性呼吸器症状とは少なくとも以下の1つ以上の症状を呈した場合をいう。
鼻汁もしくは鼻閉・咽頭痛・咳

②小規模多機能型居宅介護
*原則として患者(患者と疑われる者を含む)については、自宅において療養してください。
*かかりつけ医や一般医療機関を受診します。
*居宅介護支援事業所を通じてサービス事業所に連絡します。
*濃厚接触者については、検温等の体温確認を行い症状がない場合にはサービス提供することも可能です。
*臨時休業する場合には代替えサービスの提供について居宅介護支援事業所とも連携し調整します。
*訪問系サービスの利用者は、当該サービスの利用の可否を確認します。
*訪問系サービスを同一法人内に併設有する事業所の場合は、通所介護職員のうち訪問介護員の有資格者について
業務発令のうえ、訪問介護サービスを提供の可否を検討します。
*代替えサービスの提供を受けられない者について、利用者の意向確認・体調確認・感染予防対策を講じた上で
限定的に通所介護サービスを実施します。

③訪問介護、訪問入浴介護、小規模多機能型居宅介護における訪問含む
*原則として患者(患者と疑われる者を含む)については、自宅において療養することとなります。
*利用者にインフルエンザ様症状が見られた場合には、かかりつけ医や一般医療機関において受診します。
*訪問介護サービス等を行う事業者は、居宅介護支援事業者等と連携し、感染防止策を徹底しながらサービスの
提供を行います。
*居宅介護支援事業所を通じて他サービス事業者に連絡します。
*通所施設が休業する場合、代替えサービスの提供について居宅介護支援事業所とも連絡し調整します。
*複数の従業員が感染した場合で通常の勤務体制が取れない場合には、サービス時間の短縮やサービス提供者の
絞り込み等により対応することも検討します。

④居宅介護支援事業所
*介護サービス利用者の感染について各事業所から連絡を受けた場合、当該感染者の利用している当該感染者の
利用している事業所への連絡をします。
*通所施設が休業する場合、代替えサービスの提供について訪問介護事業所とも連携し調整します。
*利用者の感染を確認した場合、当該利用者の利用しているサービス事業所に連絡する。利用者の体調等確認の
うえ、モニタリングの為の訪問の実施を検討します。
*担当の介護支援専門員自身が感染した場合は、代替え職員で対応します。

⑤従業員が新型インフルエンザに感染していると疑われる場合(2の①を参照)
*ただちにかかりつけ医や一般医療機関を受診します。
*原則として、発症日から7日間自宅療養とします。
*同じ職場の従業員は、咳エチケット等予防対策を徹底したうえで従事します。事故の体調に留意し、体調の異
変を感じた際には、他に感染させないために無理をせず、医療機関を受診します。
*職員の家族・同居者が感染した場合には、感染者との接触をできる限り少なくするなど住居における感染予防
対策を徹底するとともに、自身の健康管理をこまめに実施します。

3.通所内での接触感染を防ぐための清掃・消毒について
*通常の清掃に加えて、水と洗剤を用いて、特に机、ドアノブ、スイッチ、階段の手すり、テーブル、椅子、トイ
レの流水レバー、便座等人がよく触れるところを拭き取り清掃すること。最低1日1回以上は実施することが望ま
しい。
*従業員が発症し、その直前に職場で勤務していた場合には、当該従業員の机の周辺や、触れた場所などの消毒剤
により拭き取り清掃を行う。
*消毒剤
①次亜塩素酸ナトリウム原液を希釈し、0.002~0.1W/v%(200~1000ppm)の溶液(塩素系漂白剤等)
を用いて拭き取り消毒を行う、あるいは当該部分を消毒液に直接浸す。
②70v/v%イソプロパノールまたは消毒用エタノールを十分に浸したタオル、ペーパータオルまたは脱脂綿等
を用いて拭き取り消毒を行う。